哲学カフェをやってみた!

2021年10月20日/ 濱中淳子

「哲学カフェ」ってご存知ですか?飲みものを片手に,ある特定のテーマについて,参加者同士で話し合う…そんな場のことです.この哲学カフェを,2021年7月30日(金),コロナ禍なので飲み物を片手に,というわけにはいきませんでしたが,十分な感染対策をしながら開催しました.

テーマは「教育って何?生涯教育って何?」.参加者は,生涯教育学専修の学生(4名)+外部の方(2名)+私で,計7名.ただ,私自身,はじめての哲学カフェで,うまく進行できる自信がなかったため,プロの方にファシリテーターをお願いしました.いらっしゃってくださったのは,川辺洋平さん.プロの方を探してたどり着いた川辺さんでしたが,なんと現役の早稲田大学教育学研究科博士課程学生という顔もお持ちで,灯台下暗しだな,と思いました.

どのように進んでいくのかドキドキしながらのスタートでしたが,最初の30分ほどは,川辺さんが私たちからの質問に答えてくれる時間として使われました.「哲学カフェって何ですか?」「哲学カフェと子ども哲学って何が違うんですか?」「フランスの哲学カフェってどんなかんじなんですか?」etc…川辺さんの優しく丁寧な説明に,参加者たちの緊張がほぐれていきました.

そしていよいよ議論の時間へ!皆で輪になったときに,川辺さんが取り出したのが「コミュニティボール」.布でできたモジャモジャのボールですが,哲学カフェでは,「ボールを持っている人が話す」「話したくなったら,ボールをもらって,それから話す」「ボールがまわってきても,話したくなければパスをしてもいい」という進め方をすることも多いとか.このコミュニティボールを交わしながら,私たちは議論を深めていきました.「教育って何だろう」「あれ?いま話しているのって,教育じゃなくて,学習のことじゃない?」「学ぶことが効果としてあらわれるってどういうこと?」「効果が20年,30年先にでるってことはないかな?」「学びって強制できるもの?」「なぜ,学ばなければならないの?」…盛り上がっていたところ,川辺さんが突然「ここでおしまい!!」と叫びました.もっと話したいというところであえて終わらせ,余韻の中で各自また考えるというのも,哲学カフェの醍醐味なのだそうです.

最後に並んで写真撮影(撮影者:濱中).なお,この哲学カフェは,濱中が独自に取り組んでいるオープンゼミで開催したものです.ほかにも,映画をみる,本を読む,おしゃべりをするなど,いろんな活動をしていきたいと思っていますので,興味ある人は,ご連絡ください.

哲学カフェ

著者プロフィール

濱中淳子 (はまなか じゅんこ)

教育・総合科学学術院 大学院教育学研究科 教授
専門分野:教育社会学,高等教育論
https://w-rdb.waseda.jp/html/100001497_ja.html