夢を語り、現実を動かす ―里村明衣子× 伊藤賀一トークセッション@早稲田

2025年07月11日/ 小林(新保)敦子

2025年7月3日(木)、早稲田大学国際会議場にて、スタディサプリの人気講師であり、本学教育学部生涯教育学専修卒業生の伊藤賀一先生と、元女子プロレスラーで「センダイガールズプロレスリング」代表の里村明衣子さんによるトークセッションが開催されました。濱中淳子先生、坂内夏子先生、安達智子先生のご協力のもと、会場は満席となり、熱気に包まれました。

石井陽一郎さん(生涯教育学専修3年)が、当日の記録を書いてくれました。

前半では、里村さんが女子プロレス界の低迷期に団体を立ち上げ、地域とともに再興を目指してきた歩みが語られました。新人の募集から育成、スポンサーとの関係構築、地域との連携まで、すべてを一から取り組んできたというお話からは、行動力の大きさが伝わってきました。特に、プロレスと地域の農業をつなぐ「農姫米」や、学校で子どもたちに夢を語る「夢教室」といった活動は、スポーツの枠を超えた社会的な広がりを感じさせるものでした。また、信頼を築くためのメディアの使い方や、公的な仕事との関わりについての話も大変印象的でした。

後半セッションでは、「グローバル×ローカル=グローカル」を軸に、世界で学び足元で動く意義が語られました。海外文化を日本らしさに昇華しながら、スポーツ×エンタメ産業で世界と勝負する未来像が描かれ、「日本のプロレスは世界一」という力強い宣言も。

伊藤先生は「武道館を満員にするには百人が百枚買えばいい」と逆算思考を示し、私はノーギャラで出て推し力を動員する」と宣言まで。

質疑応答では「なぜ熱量が続くのか」との問いに、「まだ夢半ば、稼ぎも基準も低い。WWE級を目指す成り上がりだから燃え続ける」と力強く回答。会場は、“倒れても立つ”精神と、異業種と交わり続ける覚悟に背中を押される思いでした。

花束贈呈

著者プロフィール

小林(新保)敦子 (こばやし しんぼ あつこ)

教育・総合科学学術院 教育学部 教授
専門分野:社会教育,家庭教育,比較教育学
https://w-rdb.waseda.jp/html/100000316_ja.html