小林敦子ゼミ・合宿報告
2025年10月15日/ 小林(新保)敦子
小林敦子ゼミでは、広島県大崎上島で合宿を行いました。
菅原啓さんが、合宿の記録を書いてくれました。
「学びの島」でのゼミ合宿
日経新聞にも「学びの島」と取り上げられるほどの魅力を持った大崎上島について、実際に訪れて現地に人と交流することで、大きな学びを得ることができた。島の活気を上げようとするとその土地の魅力を生かした観光業に走りがちだが、将来的に上島に貢献してくれる人を増やすよう「種をまく」ために、教育に投資しているところが本気で島を愛し、島の将来のことを考えているという印象を受けた。
この合宿のメインイベントである海星高校の1年生の授業に参加してプレゼンを行った。実際に高校生とかかわる中で改めて様々な生徒がいると感じた。島内外から多様な背景を持った生徒が集まるのが本来の学校の形であり、海星高校の魅力の一つだと思った。自分に対してもこれまでの自分を築いてきた体験や価値観をより深められるような質問が数多くあり、生徒たちのレベルの高さを感じた。
この合宿で一番印象に残ったのが夜に行われた夢ラボのグループワークだった。高校生と地域の大人たちが5から6人でグループになりマイプロのタネ探しを行った。私のグループは高校生が2人と島外から移住してきた50、60代くらいの方2人の6人で行った。移住してきた男性の方が「私たちも最初からそうだったわけじゃない。この島に来ていろんな人に触れる中でこの島とこの島に住む人に対する思いが積み重なり、その思いが人を変えていったんだ。」ということばが印象的だった。
今回の合宿でこの島が教育の島として成功したのは、まず円光さんはじめ地元を本気で守りたいと思っている人の思いの強さと行動力で成り立っていると感じた。その思いにつられるように島外から支援している人たちも巻き込んで、最初に巻いた種が芽を開いてきている。どうなっていくかわからない未来に向けて、その種をまく行為が一番大切だとこの合宿を通じて学ぶことができた。また機会があれば、継続的に訪れてみたいと思えるような魅力あふれる島だった。
著者プロフィール

小林(新保)敦子 (こばやし しんぼ あつこ)
教育・総合科学学術院 教育学部 教授
専門分野:社会教育,家庭教育,比較教育学
https://w-rdb.waseda.jp/html/100000316_ja.html