卒論発表会、卒業式

2024年04月07日/ 小林(新保)敦子

3月26日に早稲田大学の卒業式が行われた。4年間の学業を終えたという達成感に満ち溢れた卒業生たちの晴れやかな笑顔を見ながら、彼らが苦労をしながら卒業論文に取り組んできた日々が思い起こされた。

 

早稲田大学教育学部では、卒業に際して卒業論文が課せられており、生涯教育学専修では、32000文字の論文の提出が必須となっている。学生たちは、4年になってから研究テーマを絞り込み、先行研究を読み、研究計画書を書いた上で、リサーチを行い、四苦八苦しながらも論文に取り組んできた。

 

こうした努力を積み重ねながら、4年生は無事に卒業論文を完成し、12月15日に提出することができた。近年、卒業論文の提出はオンラインとなっているが、期限内に提出がされているのを確認できると、大きな安堵感とともに、本当によく頑張ってきたなという気持ちが沸いてくる。

卒業論文の提出後、小林ゼミでは、毎年、卒業論文発表会を開催している。同発表会は、ゼミOBOGも参加し、4年生が自分の研究成果を発表するものである。今年は2024年1月21日(日曜)に、国際会議場で第26回卒業論文発表会を実施した。卒業論文のテーマは、多彩であるものの、いずれもが、自分の問題意識にこだわった力作である。

優れた論文なので、テーマだけでも紹介しておきたい。「なぜ人は旅行へ行くのか ~コロナ禍を経て~」「根性論がその後の日常生活に与える影響 ~高校生の部活動に着目して~」「部活動の地域移行の中でのPTAの役割とは何か? ~香川県のバレーボール部活動を例として~」「薙刀はどうしてマイナースポーツなのか ~競技の特異性における価値と課題~」「女子校出身者の活用法 ~女子校が減少し続ける中で女子校出身者の価値の焦点を当てて~」「早スポの学生記者の活動がその後の社会人生活に与える影響」「地方学生が早稲田を目指すには? ~今後の取り組みについての提言 ~」「地理的制約を超えた、これからの地域と大学の連携を探る ~早稲田大学を主な事例として~」「子ども会の衰退を止めるには? ~松戸ドッジの事例から読み解く~」、以上である。

卒論発表会は、オンラインでも同時接続をしているので、海外ではアメリカ(ダラス)やスイス(ベルン)、またフランス(パリ)の卒業生からも貴重なコメントを頂戴でき、発表会は成功裏に終了した。

 

そして、卒業証書授与式。素晴らしい卒業論文を書き上げたという自信を胸に、早稲田大学を巣立っていく彼らの表情が晴れがましく思われた。ワセダニアンとしての今後のご活躍に期待する次第である。

著者プロフィール

小林(新保)敦子 (こばやし しんぼ あつこ)

教育・総合科学学術院 教育学部 教授
専門分野:社会教育,家庭教育,比較教育学
https://w-rdb.waseda.jp/html/100000316_ja.html