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卒業生たちの
進路•活躍

生涯教育学専修で学んだ先輩たちの声です.
どう羽ばたいていったのでしょうか?
そして学生時代を
どう振り返っているでしょうか?

横堀可那子(よこぼり かなこ)

横堀可那子(よこぼり かなこ)
卒業年 2021年3月学部卒
勤務先 フジモトHD株式会社(ピップグループ)
仕事の概要 人事
1.どのような大学生活を送っていましたか? 大学では,幅広く色々なことを学んだり,経験したいと考えて過ごしていました.

授業はもちろん,音楽サークルでの活動,学童保育等でのアルバイトなど,興味を持ったことに沢山挑戦できた貴重な4年間だったと思っています.

生涯教育学専修は,学校教育にとどまらない“教育”を学びたいと考えていた私にぴったりの場所でした.多様なテーマの専門科目があり,選択の自由度も非常に高いからです.子どもから高齢者まで様々な年代の教育,企業内教育,地域社会での教育など,4年間で幅広く“教育”を学ぶことができました.

卒業論文では,特に興味を持った児童サービス・保育の問題をテーマにしました.ゼミでは,毎週メンバーが交代で担当者となり,自分のテーマについてディスカッションを行います.各々テーマを自由に設定して研究することができたので,他のメンバーの成果を聞くのも楽しく,勉強になりました.
2.現在のお仕事に,大学での学び・経験がどのように活きていますか? 生涯教育学専修での学びは,就職活動の頃から,「自分は何に興味があり,どんな仕事がしたいのか」を考える時に活きています.

大学入学当初は,将来何をしたいか分からないことが一つの悩みでした.しかし,生涯教育学専修で幅広いテーマを学んだことで,自分が特に興味があることが次第に分かるようになりました.早稲田での経験がなければ,自分が何をしたいのか,明確なビジョンを持つことができなかったと思います.

私は,様々な年代の教育について広く学んだことや,学童保育のアルバイトで子どもや親御様と関わった経験から,「老若男女を問わず,多くの人に影響できる仕事がしたい」と思うようになり,今の会社で働くことを決めました.

現在は,間接部門として会社で働く人を支える仕事をしていますが,大学時代と思いは変わらず「多くの人々の生活を支えたい」という気持ちで取り組んでいます.

小幡佳太郎(おばた けいたろう)

小幡佳太郎(おばた けいたろう)
卒業年 2019年3月学部卒 2021年修士卒
勤務先 高等学校教諭
仕事の概要 主に地理歴史科の授業や進路指導などを担当
1. どのような大学生活を送っていましたか? 生涯教育学専修を志望したのは,「なんとかして早稲田大学に入りたい」という思いからです.卒業後,大学院に進学するとは入学当時思いもしませんでした.

そんな私の転機は,学部2年次に履修した教育社会学概論です.「なぜ学歴が社会で評価されるのか」,「子どもの教育達成は家庭背景にいかにして規定されるか」,担当の吉田文先生の話に夢中になり,教育社会学を学ぶようになりました.

教職課程の履修や進学準備に忙しかった私を支えてくれたのは,吉田先生や友人たちです.専修の規模が小さく,学生同士や学生と教授の距離が近いことは生涯教育学専修の大きな魅力の1つだと思います.恵まれた環境で学び,大きく成長できた大学生活は,とても充実した4年間でした.
2. 現在のお仕事に,大学での学び・経験がどのように活きていますか? 現在は,定時制課程の高校に勤務しています.教職課程での学びはもちろん,教育社会学の知見も日々の仕事に生かされています.生徒の行動や学校の課題,教育における様々な問題を考えるとき,その背後にある社会的な要因は無視できません.「教育を社会学的に捉える」という,地理歴史科などの授業科目とは異なる専門性も磨いてきたことが,私の教員としての大きな強みになっています.

また,生涯教育学専修では,博物館学や図書館学についても学びました.地理歴史科の授業,公民科の授業において,史料の活用や外部機関との連携は非常に効果的です.生涯教育学専修での学びは,より充実した授業にもつながっています.

N・H

卒業年 2014年3月学部卒
勤務先 国家公務員総合職
1. どのような大学生活を送っていましたか 私は所属ゼミ(前田先生)において,多文化教育をテーマに諸外国の事情と比較し考察を加える手法を学びました.比較するにあたっては,各国の教育事情のみならず他の社会事情等の差異も慎重に検討する必要がある中,私の学問的関心は自ずと社会科学分野へも向かうこととなり,結果として視野が大きく広がりました.

また,私は在学中,教育学に限らず,法律,政治,経済学等,意識的に他分野の科目も履修していました.そうした中で,たとえば教育に係る講義においても,他の分野における視点を応用できる(逆も然り)ことに気付く場面が多々ありました.
2. 現在のお仕事に,大学での学び・経験がどのように活きていますか? 行政課題が複雑さを増す中,多面的な視座から現状を正確に捉え,解決策を見出すことがより重要になっています.専修での学びは,私の視野を広げるとともに,複眼的視座の形成に大きく寄与したように感じます.

なお,私は入省後,国際関係業務から金融や経済分析まで多岐に渡る仕事に携わり,多くの業務を短期間でキャッチアップする場面を何度も経験しました.このような場面においても,本専修において決められた期限の中で複数の課題を一定水準に仕上げる基本動作を身に着けたことが大いに役立っています.

沈雨香(Woohyang Sim)

woohyang sim
卒業年 2012年3月学部卒 2014年修士卒 2020年博士(教育学)取得
勤務先 早稲田大学国際学術院
仕事の概要 助教.中東の湾岸諸国における高等教育の研究を主に,近年の日本社会における大学のグローバル化と人材育成に関する研究など,高等教育をテーマにした研究をしている.
1.どのような大学生活を送っていましたか? 学部の4年間は,幅広い知識を身に着け,様々な経験をしました.生涯教育学専修はカリキュラムの自由度が高く,教育社会学のゼミに所属しながらも女性教育,多文化教育,社会教育,高等教育など教育を中心とする多様な学問に触れることができました.勉強の他には,ボクシングやヨガなどのスポーツ科目も受講していました.また,サークルに所属してはいませんでしたが,生涯教育専修はクラス制度があったため,1年次からたくさんの日本人学生と交流を深めることができたり,よい先生,友人,環境に恵まれ,楽しく実りある4年を過ごせたと思っています.
2.現在のお仕事に,大学での学び・経験がどのように活きていますか? 研究と教育を仕事としている私にとって,大学でのすべての学びと経験が現在の主幹となっていることは言うまでもありません.特に,何事も当たり前にとらえず問題意識を持ち,それに基づいた仮説を設定の上,分析を通じて検証し,考察を加える一連の過程を授業内のレポートやプレゼンテーションの機会の中で練習できたことは,研究はもちろん学会での発表にも大きく活きていると感じます.また,学部生の時から幅広い分野の学問に触れられたことが,複数の学問領域にわたる研究課題の設定と遂行に役立っていると思います.