生涯教育学専修の教育課程は「教員免許状(中学社会,高等学校地理歴史・公民)」「社会教育主事(士)」「博物館学芸員」「図書館司書」「学校図書館司書教諭」の資格が取得しやすいものになっています.
中学・高校・特別支援学校の教員免許状
早稲田大学教育学部は,他の多くの大学の教育学部とは違い,教員免許状の取得を卒業要件としない教育学部です.ただ,もちろん主要な目的の1つとして教員を養成することを掲げており,生涯教育学専修では「社会(中学1種)」「地理歴史(高校1種)」「公民(高校1種)」「特別支援学校(1種)」の教育免許状が取得できます.
しかし,在籍すれば自動的に教員免許状を取得できるわけではありません.学部の授業に加えて,「教育職員免許法」に基づいて編成された教職課程の単位取得と免許状の申請をしてはじめて教員免許状を取得できます.
教職課程の科目は,教員免許状取得を希望する教育学部以外の学生にも開放されています.したがって,教職課程の科目は,教員免許状の取得をめざす学生たちが集う「全学的な学びの場」であるともいえます.
詳細は『教職課程履修の手引き―図書館司書・学校図書館司書教諭・博物館学芸員・社会教育主事・社会福祉主事』に説明されていますので,確認してください.
早稲田大学『教職課程履修の手引き―図書館司書・学校図書館司書教諭・博物館学芸員・社会教育主事・社会福祉主事』
社会教育主事(士)
● 社会教育主事とは
社会教育主事とは,教育委員会の事務局等で,社会教育行政の企画・実施,専門的技術的助言,自主的な学習活動の側面的援助,地域の生涯学習を推進するコーディネート等を行う社会教育法(1949年法律第207号)に定められた専門的職員です.たとえば,公民館等の社会教育施設職員や青少年団体・婦人会・PTA等の社会教育関係団体の関係者に,社会教育施設のあり方やその活動,社会教育関係団体の運営や活動について,専門的技術的指導,助言を行うことが具体的なしごとになります.
生涯教育学専修では必修科目,専門選択科目に「社会教育主事関連科目」を配当しており,これら科目の単位を修得することで,「社会教育主事資格」の大部分の要件を満たすことができます.本専修では多くの卒業生がこの資格を取得し,地域での青少年,女性,高齢者教育の担い手として活躍してきました.
● 社会教育士とは
他方,地域の人たちと学びの場と作ったり,専門的な知識を活用しながらまちづくりに携わったりする役割は,NPOや企業など,さまざまなところで求められるようになっていています.そうしたなか,2020年度から称号「社会教育士」が新設されました.国家資格ではありませんが,社会教育主事(任用)資格取得に必要な科目を修得した時点で「社会教育士」と称することができます.名刺などに記すことで,活動が広がることも期待されます.
詳細は『教職課程履修の手引き―図書館司書・学校図書館司書教諭・博物館学芸員・社会教育主事・社会福祉主事』に説明されていますので,確認してください.
早稲田大学『教職課程履修の手引き―図書館司書・学校図書館司書教諭・博物館学芸員・社会教育主事・社会福祉主事』
博物館学芸員
博物館は博物館法で定められた博物館,美術館,科学館,郷土資料館,動物園,水族園,植物園等などの社会教育施設です.「博物館学芸員」とは博物館の専門的なしごとを担う職員であり,博物館資料の収集,保管,展示及び調査研究その他これと関連する事業を行う役割を持っています.博物館学芸員になるための資格が博物館学芸員資格です.この資格を取得するためには,博物館法施行規則で定められた9科目19単位をすべて履修する必要があります.
生涯教育学専修の学生の場合,この資格科目のなかの「生涯学習概論(必修科目)」「博物館情報メディア論(必修科目)」「博物館概論(専門選択科目)」「博物館資料論(専門選択科目)」の4つについては,卒業単位に換算することができます.
これらの科目を履修することによって,博物館で実際に必要な資料の管理,資料展示,博物館が行う教育活動,資料の取り扱い方や保存方法について実践的に学習することができます.博物館は間口の非常に広い社会教育施設です.歴史や美術等の人文科学,社会や民俗学等の社会科学の分野だけでなく,動植物,自然史,保存科学等の自然科学分野の知識も必要になりますので,幅広い分野の関心を呼び起こしてくれます.
詳細は『教職課程履修の手引き―図書館司書・学校図書館司書教諭・博物館学芸員・社会教育主事・社会福祉主事』に説明されていますので,確認してください.
早稲田大学『教職課程履修の手引き―図書館司書・学校図書館司書教諭・博物館学芸員・社会教育主事・社会福祉主事』
図書館司書
図書館法では,公共図書館において専門的なしごとを担う人を「司書」と定めています.司書になるためには「図書館司書資格」を取得することが重要です.資格取得には図書館法施行規則で定められた司書資格科目(必修科目11科目,選択科目2科目)の履修が必要です.これらの科目では図書館および図書館資料・業務,情報に関する知識と技術を体系的に学習することができます.
生涯教育学専修の学生の場合,この資格科目のなかの「生涯学習概論(必修科目)」「図書館概論(専門選択科目)」「図書館サービス概論(専門選択科目)」の3つについては,卒業単位に換算することができます.
司書資格科目を履修した学生からは,これらの科目を履修することで,学習・研究および日常生活に必要な資料や情報をどのように探して利用したらよいのか詳しく知ることができたという感想が寄せられています.
図書館および図書館資料・情報について詳しく学習できる科目は,司書資格科目以外,全学を見渡してもほかにありません.司書資格を目指さない人でも,図書館および資料・情報について勉強してみたいと考えている人にもお勧めします.
詳細は『教職課程履修の手引き―図書館司書・学校図書館司書教諭・博物館学芸員・社会教育主事・社会福祉主事』に説明されていますので,確認してください.
早稲田大学『教職課程履修の手引き―図書館司書・学校図書館司書教諭・博物館学芸員・社会教育主事・社会福祉主事』
学校図書館司書教諭
学校図書館法によって,すべての学校は学校図書館を置かなければならず,また,学校図書館の専門的なしごとを担う司書教諭を置かなければならないことになっています.この司書教諭になるには,(1)小学校,中学校,高校,または特別支援学校のいずれかの教員免許状を取得すること,(2)学校図書館司書教諭資格に必要な科目の単位(5科目10単位)を修得すること,の2つが必要になります.
文部科学省では学習指導要領の中で,小学校から高校に至るまで学校図書館を活用した授業を推奨しています.また,アクティブラーニング,GIGAスクール構想がすでに始まっています.一人一人の児童・生徒が学習に必要な資料・情報を探してアクセスしながら学ぶ学習では学校図書館の役割が重要になっています.司書教諭は様々な授業で学校図書館を利用する際の相談役,推進役となって活躍しています.
教職課程の授業の中には学校図書館について学ぶことができる科目がありません.司書教諭資格の科目を履修することで学校図書館について詳しく学ぶことができます.
詳細は『教職課程履修の手引き―図書館司書・学校図書館司書教諭・博物館学芸員・社会教育主事・社会福祉主事』に説明されていますので,確認してください.