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スタッフ

生涯教育学専修の教員が送る
学生たちへのメッセージ.
大学でどう学べばいいのか,
ヒントを見つけてください.

松山鮎子(まつやま あゆこ)講師

松山鮎子
専門分野 社会教育学,生涯教育学,学習支援論
研究関心・業績 ■research map https://researchmap.jp/read0155635 ■早稲田大学研究者データベース https://w-rdb.waseda.jp/html/100003981_ja.html
学生たちへの
メッセージ
学部時代はどちらかというと「教育」よりも「芸術」に関心があり,文学や美学関連の授業ばかりとるような学生でした.卒業論文をきっかけに,さまざまな事情で生きづらさを抱えた子どもたちの支援の現場にかかわるようになり,そこでの経験を通じて,「教育」とはどのような営みなのか,いわゆる「学校教育」とは違う観点から考えてみたいと思うようになりました.

その後,職に就いてから,各地の公民館活動や「学び」による地域づくりの実践に携わる方々との出会いを通じて,ようやく(?)自分自身が専門で学んできた社会教育のおもしろさを実感するようになりました.そうして現在は,人がこの社会で幸せに生きること,つまり福祉的かつ心理的な課題は,「ことば」による相互承認関係の組織化,または当事者性の生成と学びという,教育的な課題を基盤にしてはじめて解決可能なものになるのではないかという問いをもって,社会教育の理論や実践を探究しています.

ところで,戦後日本の社会教育研究の開祖ともいえる教育学者の宮原誠一の研究室は,「研究室の扉が村の農道に通じている」と言われていたそうです.学生の皆さんには,たとえば宮原研の学生たちがそうであったように,大学での学びと社会的な実践とを架橋して,さまざまな人に出会い,かかわる中で,学問に興味関心をもち,さらに自分なりの研究テーマを発見し,考えを深めていってほしいと思います.私自身も,皆さんと一緒にフィールドを行き来し,多様な人たちがごちゃまぜに集う研究室をつくることが理想です.