声の持つ力に圧倒されました

2023年11月13日/ 小林（新保）敦子

落語協会所属の真打である桂やまと師匠によるミニ独演会が、１１月６日大隈タワーで開催されました。

落語というのは、落語家と観客とがお互いに想像をふくらませあい楽しむことで成立している芸能である、という落語の本質をやさしく解説して下さったことから始まり、「時そば」の上演もいれながらの熱演でした。

そして、座席前方だけでなく、後方に座っている人にも声を届かせながら、その場の一体感を作りあげてしまう「わざ」のすごさには脱帽です。声が身体全体に響いてきて、声の持つ力に圧倒され、声のパワーを体感しました。

さらに、ご自身の修行体験もまじえながら、話し上手になるためには、聞き上手になることという奥義を伝授していただきました。「たいていの人は人が話をしている時に、次に何を話そうかと考えてしまい、相手の話を聞いていない。でも、そうではなく集中して耳を傾けることが大切」との話に思わず納得です。

いかにも蕎麦を食べているような所作の実技指導やペアワークもあり、会場は終始、爆笑の渦に包まれていました。

師匠の語りに夢中になり、楽しく質疑応答をさせてもらっていたら、あっという間に終了時間になり驚きました。文字通り「時がたつのを忘れる」というのは、こういうことを言うのかという経験でした。

これからの人生を明るく豊かに過ごすためのヒントが満載で、師匠の話をこれからも多くの学生さんに聞いてもらいたいと心から思いました。

桂やまと師匠、ありがとうございました。また、今回の企画の実施にあたり協力して下さった小林敦子ゼミのみなさん、ありがとうございました。