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スタッフ

生涯教育学専修の教員が送る
学生たちへのメッセージ.
大学でどう学べばいいのか,
ヒントを見つけてください.

小林(新保)敦子(こばやし しんぼ あつこ)教授

小林(新保)敦子(こばやし しんぼ あつこ)教授
専門分野 社会教育,家庭教育,比較教育学
研究関心・業績 ■research map https://researchmap.jp/read0029949 ■早稲田大学研究者データベース https://w-rdb.waseda.jp/html/100000316_ja.html
学生たちへの
メッセージ
生涯教育学専修って何?
そう思われる方も多いかもしれません.一言でいえば,これから人生を歩んでいく上での土台となる教養やスキルを身につけることができる専修ですし,自分を突き動かす「バネ」を与えてくれる専修です.専修の基盤となっている「生涯教育学」は,多様性といった魅力を持ち,学ぶ心を刺激してくれる学問分野だと思います.

動物園やミュージアム,あるいはお祭りや温泉などなど,ありとあらゆる場所に,生涯教育学のテーマが見いだせます.

たとえば,ディズニーランドに行ったとします.そこで,なぜ人はディズニーランドに惹きつけられるのかとか,待ち時間が長くてもなぜ人は我慢して並んでいるのかとか,あるいは,にこやかなキャストはどういった研修を受けているのかなどなど,様々な生涯教育学のテーマが浮かんできます.ずばり,こんなおもしろい学びができる領域はなかなかありません.

生涯教育学の良さは,外に出てフィールドワークができることですが,いろいろな「学び直し」をしている人々と出会えるのも生涯教育学ならではの魅力です.

学生時代に生涯教育学を学び始めた時のことです.市民の学習サークルの交流会に参加した時,その後の懇親会で,たまたまある年配の女性を紹介されました.詩を作るサークルを主催している人でした.その女性がどんな詩を作っているのか,聞いたはずですが,すっかり忘れてしまいました.

しかし,その女性の熱い語り口には圧倒されるものがあり,今でもその女性の燃えるような目が脳裏に鮮明に浮かんできます.そして,なぜ,これほどまで,学びに情熱を傾けることができるのか,そんな疑問が数十年を経た今でも私の心にすみついています.

人はどういったときに学びたいと思うでしょう.それを問うことは,いかに生きるのかということと結びついています.是非,皆さん方と一緒に,こうした問いの答えを探求できれば幸いです.

坂内夏子(さかうち なつこ)教授

坂内夏子(さかうち なつこ)教授
専門分野 社会教育学,生涯教育学
研究関心・業績 ■research map https://researchmap.jp/read0213404 ■早稲田大学研究者データベース https://w-rdb.waseda.jp/html/100000413_ja.html
学生たちへの
メッセージ
いつの時代も人間は生きている限り,また社会の進展に取り残されないために学んできました.特に論じるまでもなく,人として当然の営みでありますが,それをあえて論じなければならなくなってきました.そのひとつに「生涯学習」が相当します.この「生涯学習」には日本ならではの独自の歴史と意義,役割があります.それはどのようなものでしょう.

みなさんのこれからの人生を見つめながら,おとなが地域社会や企業組織,大学などで学ぶ意味等を考えてみませんか.人生を豊かにする自らの学びの構想や,それぞれの特性や課題を理解しながら学習のニーズに応え,組織や社会をよりよくするための,学習の支援のあり方などです.

コロナ禍において,経済的困窮,格差,差別,分断といった「格差社会」「無縁社会」と言われる状況はさらに深刻化し,場所や時間を共有する関係に成り立つ学びや交流の機会が抑制されています.そうした中でこれまでの制度やシステムを問い直し,サービス社会の受け手に甘受する意識の変換やみなさんのような若い世代が主人公になるような新しい取り組みにチャレンジしてみませんか.

田辺智子(たなべ さとこ)准教授

田辺 智子(たなべ さとこ)准教授
専門分野 図書館情報学,公共政策学
研究関心・業績 ■research map https://researchmap.jp/tanabe_satoko ■早稲田大学研究者データベース https://w-rdb.waseda.jp/html/100003632_ja.html
学生たちへの
メッセージ
思い返せば,学生時代は自分が将来どんな方向に進んでいくのか,まったく見えていませんでした.多くの皆さんも同じではないでしょうか.今していることが果たして役に立つのかと,疑問に思うこともあるかもしれません.そんなとき思い出してほしいのは,大学で身に付くのはその分野の「専門知識」だけでなく,より汎用的な「スキル」もあるということ.文献を読む.レポートを書く.プレゼンをする.ディスカッションする.そういったスキルです.

大学での課題は高校までと違い,正解がない場合も多い.実はそれは社会に出てからも同じです.どんなテーマであれ,答えがない問題を,調べて,自分なりに考え,文章にして,仲間と議論する.そうした大学での学びの積み重ねは,きっと将来のあなたを助けます.

濱中淳子(はまなか じゅんこ)教授

濱中淳子(はまなか じゅんこ)教授
専門分野 教育社会学,高等教育論
研究関心・業績 ■research map https://researchmap.jp/jhama ■早稲田大学研究者データベース https://w-rdb.waseda.jp/html/100001497_ja.html
学生たちへの
メッセージ
研究者・大学教員になろうというつもりはなく,また「教育」を専門とするつもりもなく,大学に進学しました.そうしたなか,学部2年のときに教育社会学という学問領域に出会い,その魅力に取りつかれ,気が付いたらこのようなキャリアをたどっていました.「教育」を学ぶ,研究することは,「教育」それ自体の理解を深めるのみならず,人生や社会のあり方を考えることに繋がっていきます.自分はどう「教育」と対峙していくのか,そこには多様な選択肢があるわけです.柔軟に,そしてしっかりと考えていただけたらと思います.

もう一点付け加えるなら,授業を受ける際,担当教員のことをよく知るようにしてください.授業の内容というのは,担当の教員が今まで経験してきたこと,吟味してきたこと,研究してきたことを,全部反映したものです.ですから,その教員の人となりを知っていたほうがずっと楽しいし,学問自体にも興味が持てるようになります.担当教員に話しかける,担当教員が書いた本や論文を読んでみる.こうしたことを重ねていけば,「だからこういう話をするのか」「この問いかけにはこういう意味があるのか」ということがわかってきますし,授業の理解も一気に深まります.

サークルなどの課外活動なども含め,早稲田大学という環境を思い切り活用し,充実した学生生活を送っていただければと思います.